彫刻家・船越桂 著 「個人はみな絶滅危惧種という存在」を読む

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この本、美術界のスーパースターともいえる彫刻家・船越 桂(ふなこし かつら)さんの言葉を集めたエッセー集です。

これを知ったのは、偶然でして・・・

制作を終えてアトリエから夜中に帰ってきてTVをつけたら、あの知る人ぞ知る僕も好きな番組「週刊ブックレビュー」がやっていったのです。

今回は何の本たちが出てくるかなーと楽しみに見ていたら、(この番組は小説などが主に紹介され、画集などはあまり見かけないのですが)そのとき偶然にも・・・


「青山ブックセンター調べ・画集と写真集の売上ベスト10」が紹介された。


そしたらなんとなんと僕の作品集「金魚養画場」が第7位!!!として紹介され、しかもコメンテーターの天野祐吉さんが番組中、ちょくちょくと僕の作品集のことを取り上げてくれて、

「それ僕っす・・・・描いた人です、風呂上がりの本人偶然見て・・ま・す」と番組みながら感動。




そして、番組は進み後半になり、特集でこの「個人はみな絶滅危惧種・・」が紹介され、船越桂さんのアトリエでのインタビューが放送されたのでした。

船越さんは僕の中でも大好きなアーティストなので、この日の番組は、とーーーーーってもおもしろかったです!!

そして、この本を買いにいったという訳です。はい


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この本の内容は、30年間の船越さんの日記や、紙切れに描いたその時の言葉を集めたもので、

美術界のスーパースターでも同じような苦悩や葛藤を抱えながら制作してきているんだと知りました。
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僕も、実は育った環境が船越さんと似たようなところがありまして、氏の苦悩や葛藤に共感するところがありました。というより理解できたというべきかもしれません。



・・・・・・どんどん読み進み、そして本も終盤にさしかかった時、 ご子息・械くんを(保育園に?)迎えにいったある日の出来事が書かれていました。

寂しそうに立っていた械くん。 何気ない日常の風景をえがいたものですが、それを読み終えた時、


私、涙があふれてきて、ポロポロ・・・いい歳して思わず男泣きしてしまいました。


そして、次のページを開いて、その話しがこの本の最後と知り、さらにポロポロ・・・・。

30年間の作家としての苦悩、芸術論、人生論の最後が、械くんとのある日の日常風景だったことに、

素直に感動いたしました。


けしてお涙ちょうだい的なお話しではありません!しかし、そのささいな話しの中に、船越さんの深い愛がたくさん詰まっていると感じたのです。 僕も息子が寂しそうにしていたら、船越さんと同じことをしたと思います。

この度は、本当に救われました。


この本を読まれる方は、けして、本屋さんで立ち読みしてこの巻末のお話しだけを読まないでください。

船越氏の芸術に対する心を最初からちゃんと感じてください。    

ね!




深堀隆介
Riusuke Fukahori