金魚の掌(たなごころ) 1

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僕の手のひらの中でピクリとも動かないこの子。

こんな小さな缶の中に入れられて、また可愛そうな事をしてしまった・・・。

樹脂の中に固められ、決して色褪せることはなく、その美しさを保ち続ける。


僕が死んだあとも、この子は生き続ける。


美しさとは、その裏側にある「儚(はかな)さ」があって、人を惹きつける。


この子の前では、その「儚さ」とは、いつか死んでいく僕だろう。

生みだした作者自身が、その子のための「儚さ」になる。

芸術とはそういうものだろう。





僕の手に その身をゆだね いつまでも最高に可愛い君よ、なぁ、おまえ、
お互い年を重ね、どこかで再び出会った時は、また今日のように話そうな。






深堀隆介
Riusuke Fukahori