雫(しずく)

今日は、作品「雫」を命名した背景を、今日はご説明したいと思います。

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最初は、この子が「し・ず・く」と言っているような気がしたことから始まりました。

それから「雫」という言葉を調べているうちに、「しずく」という言葉が、「しづく」(沈く)を語源にしていることがわかり、

この二つの意味を、作品「雫」は持っている。と思ったのです。


まず、番傘が逆さまになり、雨粒を溜める道具となっていること。その様子が蓮の葉の真ん中に溜まったに見えたこと。

そして、タイル台にある水たまりで誰にも見つからず、ひっそりと沈んでいる一匹の美しい和金。

この2つの意味から「雫(しずく)」と名付けました。



     水底(みなそこ)に 沈く白玉(しらたま) 誰ゆえに
           心尽くして  我思わなくに




      (水の底で、誰にも見つからずひっそりと沈んでいる美しい真珠のようなあなたよ
       誰のために私は、心を尽くしているいると思うのですか。みな、あなたのためですよ。〈深堀解釈〉)



僕は、万葉集のこの歌がすきです。ここからも雫(沈く)と名づけた理由があります。

水底(みなそこ)に沈んでいる美しきもの、命、それが僕が描くべき金魚の姿なのかもしれません。

こういう命名の裏側を知ると、作品がまた違った視点で見えるのではないでしょうか。





深堀隆介
Riusuke Fukahori